【Prologue/プロローグ】

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《神の落とし子》  千年に一度、キリストの血を受け継いで地上に誕生する神の落とし子。その幼子には底知れぬ豊富な寿命と一切の曇りがない清らかな魂が宿ると言われる  その魂を求め下界より現れた『悪魔、死神』各々が落とし子の魂を狙い始める。天使は下界の愚者から落とし子の魂を守らんと上界より抗争に身を投じる  こうして《落とし子》を巡る『天使・悪魔・死神』の三勢力による抗争が勃発した。しかし、落とし子を巡る戦いは予想に反して短期間での終焉を迎えた  想いを同じく落とし子を守ろうと教団の聖教者は、古来より【生け贄】という形で落とし子を神の身許へと送っていた、これにより古来より落とし子の魂は神の身許で護られてきたのだ  悪魔は清らかなキリストの魂を汚し、貪る為に落とし子を求め、死神は永遠の命を吸い取る為に落とし子を求めたが、双方の願いが叶う事はなかった――  そう、千年に一度地上に宿る落とし子の魂は例外なく聖教者により生け贄にされ、生まれて間もなく神の身許に送られる事で無用な争いを避けてきたのだ。つまりは、落とし子に生まれたからにはどちらにせよ【死】が待っていた 西暦二千年――  二度目の落とし子がこの世に産まれた。父親は聖教者、母親は子を産んで間もなく力尽きた。産まれたばかりの幼子の左目に視力はなく、代わりに青色の眼球の中には黒い十字架が刻まれていた事から、この幼子が神の落とし子だと判明した。
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