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ターミナル聖十字学園はその名の通り、キリスト教のプロテスタントを取り入れている為に厳粛なカトリックとは多少違い厳しい掟や規制がない。
一概には言えないが、カトリックは信者に対してのルールを厳しく徹底している。その反面、プロテスタントは基本自由。
そして今、由緒正しき聖十字学園の生徒を示す、青と白色のチェックのスカートに白いワイシャツ。次いで十字架の校章が入った赤いネクタイをしている少女が目の前に立っている。
リクイスは多分、集合場所であるこの噴水まで来るのに随分と走ってきたのだろう。証拠に両手を内股の肘に当てると、肩で息をしながら
「はぁ、はぁ、はぁ……。」
と、随分と辛そうだ。時に、元気過ぎるのは裏目に出る事があるらしいが今がそうらしい。
「おはよう、リク。ここに来るまでずっと走ってきたの?」
気を遣って聞いた運命に対して、リクイスはまだ荒い息を何とか整えながら質問に答えた。
「うん、アルと一緒に!」
『アルト』、彼もリクイスと同じくターミナル聖十字学園に通う、もう一人の友達。運命とリクイスとアルト、この三人で遊ぶのが毎日の日課だった。
アル、リク、運命。三人は常にお互いを愛称で呼び合う仲。運命だけ普通なのは置いといてこれは三人が仲の良い証拠だ。
ターミナル聖十字学園の授業は午前から始まり、正午から三時までの時間を休み時間、帰宅も可能などと特別な授業体制を取っている。故にこうして昼休憩を利用して遊ぶのだが……。
「そっか、ところでアルは?
一緒に来たんでしょ?」
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