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本来ならば聖教者である父親は例外なく教団へ落とし子を差し出さなければならなかったが、父親は我が子可愛さにそれをせず、世間から身を隠す様に人里離れた山の中へと逃げ込んだ
今世紀に産まれた落とし子の名は【運命(さだめ)】と名付けられ森の奥で父親と二人、密かに生活していた。父親は己の寿命が続く限り息子を護り通してやりたかったが、運命が十五歳の誕生日、その時は来た――
【汚れた聖剣/エクスカリバー】
その訳ありな聖剣も運命と同じ人生を辿ってきた。遙か昔、紀元前にも渡る昔――天使は下界から現れた無法の侵略者に対して長きに渡る戦争を起こしていた。悪き愚者を滅ぼす聖剣、それこそが天使が持つエクスカリバーだ。
しかしある時、上界の一天使が同胞である天使を聖剣で殺めた、それにより上界より追放され、朽ちた堕天使は悪魔となった。下界の悪魔は天使の血を吸ったエクスカリバーを武器に上界の使者へと反撃を開始する。
それから数百年は、天使の必死な抵抗も虚しく悪魔が世界を支配する時代が訪れた。しかし功を極めた悪魔の前に同じく下界の住民、死神が立ちはだかる。
下界に至っては死神は悪魔よりも遙かに人数に劣るものの、個人の力量は他に類を見ない強靭な物がある。こうして汚れた聖剣は、天使・悪魔の血を吸い強引なまでに死神の手に渡った
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