【Prologue/プロローグ】

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 死神の世界支配を危惧した上界と下界の使者は協力はせずとも同じ想いにして戦争を勃発させる。激戦の末、強力な武力を振るった死神だったが、やはり数には勝てずにとうとう敗北の兆しを見せ始めた。しかし――  敗北を確信した死神は〝それだけ〟では終わらなかった。終戦の間際、エクスカリバー使いの死神は、誰にも看取られず聖剣で密かに自害し、聖剣の行方を眩ませた。  終戦後、必死に聖剣の在処を探した双方だったが、いつになっても聖剣が見付かる事はなかった。しかし聖剣は確実に人間界へと隠され、以後それは人間の手で保管されていたのだ。その聖剣の真価も知らずに……。  以後、架空の物語を装飾され語り継がれたエクスカリバーはついに一人の人間によってその真価を見出される事となった。その男こそ、後の今世紀の落とし子、運命の父親となるエルだ  エルはエクスカリバーを異界の探求者の目にも触れない様に、封印をかけ家宝として祀り隠した。  その数年後、今世紀二度目となる落とし子が産まれた。母親は命をかけて最後の役目を果たし、力尽きた。  残された我が子を母親の分まで育てる覚悟をしたエルは教団から逃げ隠れる様に森の中へと移住をする。無論、息子が神の落とし子だと言う事は重々承知だった――  そして運命の十五歳の誕生日誰による導きか?神の落とし子とエクスカリバーは出逢う。
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