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お昼になり、土方が戻って来た。「…おぅ、お帰り。」
それを玄関で出迎える銀時。
「………」
そんな銀時を暫く見つめる土方。銀時が怪訝そうな顔をする。
「ど、どうしたんだよ?」
土方はハッとして照れ臭そうに笑った。
「いや…ちょっと感動した。いいな…こうして出迎えて貰えるのは…。」
それを聞いた銀時が赤くなる。
「ば、馬鹿野郎…いちいちこれぐらいで感動してんなよ!…早く上がれよ!飯出来てるから。」
居間に向かうと見慣れた顔がそこに座っていた。
「遅いですぜ土方さん。」
沖田だった。
「な…!?総悟…てめぇ何でここに居やがる!?」
土方が顔を引きつらせて沖田に詰め寄る。
「昼飯食いに来たに決まってるでしょう?」
あっけらかんと答える沖田に開いた口が塞がらない土方。
「…帰れ。」
沖田を睨み付け一言。
「いきなりご挨拶ですねぃ。大体昼飯に誘ってくれたのは旦那ですぜぃ?」
それを聞いた土方が銀時を見る。困ったように頭を掻く銀時。
「いや、買い物に行った時にばったり会ってさ…荷物持ってくれたから…。」
沖田がニヤリと笑う。
「まぁそういうことでさぁ。」
本当は沖田がどうしても銀時の手料理を食べたいと押し切られ、荷物を持ってくれたこともあり、仕方なく了承したのだが。
「ま、まぁ早く座れよ!せっかくの料理が冷めちまうから。」
土方は納得いかない様子だが渋々ソファーに腰掛ける。
ふとテーブルの上を見ると焼き魚に卵焼きが用意されてる。
「…がっかりしたか?つまんねぇもんばっかで。」
銀時が味噌汁とご飯をよそって持って来ながら言う。
土方が首を横に振る。
「いや、十分だよ。」
味噌汁とご飯を受け取りながら答える。
「…いただきます。」
三人で食べ始める。
卵焼きを一口食べる土方。
「…ん…うま…」
「美味いですぜ!旦那!!」
土方が言うより早く沖田が言う。「…そうか?サンキュー。」
銀時が照れ臭そうに俯く。
「いいなぁ…こんなの毎日食べたいなぁ…。」
料理に次々パクつきながら沖田が言う。
「大袈裟だよ…。」
「いやいや本当ですぜぃ…おかわり!!」
空の茶碗を銀時な差し出す。
「てめぇ…ちっとは遠慮しろや!」土方が苛つく。
「…昼からも仕事なんですからしっかり食っとかないと…ねぇ旦那?」
いきなり振られてびっくりする銀時。
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