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「…え?あ、ああ…そうだな…。」苦笑しながらご飯をよそって沖田に渡す。
「…ったく。」
土方が益々苛つき出す。
「…お前、おかわりは?」
銀時が土方に言う。
「いや、俺はもういい…。」
「そっか。」
沖田はその後に結局三杯おかわりした(笑)
「はぁ…ご馳走様でしたぁ旦那。スゲー美味かったですぜ。」
「はは…サンキュー。」
笑って答える銀時。
「………」
土方は食事の途中から黙り込んでしまっていた。
銀時も気にしてはいたが沖田がいる手前、何も言えなかった。
土方が立ち上がると刀を手にし腰に差す。
「…行くぞ総悟。」
そう言って沖田の首根っこを掴むとそのままずるずると引きずって行く。
「ちょっと土方さん…止めて下せぇよ猫じゃあるまいし…。」
「…るせぇ!!」
沖田は肩をすくめると銀時に手を振る。
「じゃあ旦那、また来まさぁ。」
その言葉に土方がキレる。
「またじゃねーよ!…もうテメーにここの敷居は跨がせねぇからな!」
そう言って玄関に向かう。
銀時も慌てて後を追うが土方は一度も振り向かずそのまま家を出てしまった。
「あ……。」
残された銀時が暫く玄関を見ていたがやがてため息をつき頭をポリポリと掻く。
片付けに戻ろうと歩き出した時にガラッと玄関が開いた。
ハッとして振り返ると土方が立っていた…不機嫌極まりない顔付きで。玄関を閉めた後、再び上がり込み銀時の前に立つ。
「…な、なんだよ?忘れ物か?」
銀時がちょっとビクつきながら土方に問うが土方は黙ったままだ。「…ちょ…何だよ?黙られたままだと怖いんですけど…。」
銀時が顔を引きつらせる。
「…なぁ聞いてる?ひじ…」
次の瞬間、土方が銀時の腕を掴み引き寄せて乱暴に唇を重ねる。
「……!?」
銀時が顔を歪ませ、土方の胸を押すがその手も掴まれてそのまま壁に押しつけられる。
「…んん…っ…!」
その間も激しく口付けされ、銀時の全身の力が抜ける。
そんな銀時の腰をしっかり抱き寄せながらも口付けを止めない土方…。暫くして銀時が震えた手で土方の首に腕を回す。
長い長い口付けからようやく解放された銀時が潤んだ瞳で土方を見る。そんな銀時を土方がじっと見つめていたがやがて目を逸らし、スッと銀時から離れ背を向ける。
「…もしかして…怒ってんのか?アイツを…飯に呼んだこと。」
銀時が申し訳なさそうに目を伏せる。
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