苛立ち

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土方は仕事に戻った後もずっとイライラしっぱなしだった。 それを察してか他の隊士らは近寄ろうともしない。…ただ1人を除いては。 「土方さん、何カリカリしてんでさぁ。」 ぽんと土方の肩に手を置く沖田。「…誰のせいだと思ってんだてめぇ…!」 ギロリと沖田を睨み付ける。 が、沖田は至って冷静だ。 「何でもかんでも人のせいにすんのは土方さんの悪い癖ですぜ?」ブチッと土方がキレた。 「るせーよっっっ!テメーのせいで銀時とギクシャクしちまったじゃねぇかぁぁぁ!!どう責任取ってくれんだよコラぁぁぁ!!!」沖田が冷めた目で土方を見る。 「はぁ?俺が一体何したってんです?それこそ人のせいにすんなって話でさぁ。」 土方が更にブチ切れる。 「オメーが昼飯食いに来やがったからだろーがぁぁぁ!!」 はぁ~っと沖田が呆れたようにため息を付いた。 「まさかそれで旦那に八つ当たりしたんじゃないでしょうね?」 土方がぐっとなる。 「あ~あ…全く先が思いやられまさぁ…。」 「テメーが言うなぁぁぁ!!」 その頃、銀時はスナックお登勢で酒を飲んでいた。 「…うぃ~…ババァもう一杯。」 お登勢がため息をつく。 「もう止めときな…飲みすぎだよあんた。」 そう言って煙草を吐き出す。 「…るせーよ…男にはなぁ…飲まなきゃやってらんねー時だってあんだよ…いいからもう一杯!」 お登勢はやれやれと肩をすくめるともう一杯差し出した。コップを受け取り一気に流し込む。 「…ぷは~~~~っ…。」 飲んだ後で酔い潰れてそのままカウンターに突っ伏して寝てしまう銀時。 「やれやれ…しょうがない奴だねぇ…。」 お登勢は呆れたように煙草の煙を吐き出した。 夜になり仕事を終えた土方が万事屋事務所に戻って来た。 玄関で暫く迷っていたがやがて意を決して戸を開ける。 …が、中は真っ暗だった。 土方が居間に足を踏み入れる。 「…銀時?居るのか?」 電気をつけたが誰もいない。 隣の部屋も開けるがやはり誰もいない。 「…ったく…どこ行ったんだ?」 その時電話が鳴った。土方が受話器を取る。 『あぁ、よかった。帰ってたみたいだねぇ…下のスナックのもんだけどさぁ。』
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