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相手はお登勢だった。
「あ、どうも…。」
『…ここにいる白髪頭の酔っぱらいそっちに連れて帰ってくれないかぃ?このまま居られたら営業妨害なんでね。』
「……!?」
土方はすぐ電話を切り走って下のスナックお登勢に向かった。
ガラッと勢いよく戸を開ける。
「あぁ来たのかぃ…ほら、そこだよ。」
見ると銀時がソファーに仰向けになって眠っていた。
「止めとけって言ったのにそんなになるまで飲んじまってねぇ。」土方が銀時の傍に行く。
「…迷惑かけたな…すまねぇ。」
お登勢が肩をすくめる。
「構やしないよ…あ、あと酒代払っておくれよ。」
土方は金を払った後、銀時を背負い出口に向かう。
その背中にお登勢が声を掛ける。
「この馬鹿かなり愚痴こぼしてたよ…あんたのこと。」
土方が足を止める。
「なにがあったか知らないけど…せっかく一緒に暮らし始めたんだろぅ?あんた達。喧嘩なら早く仲直りしなよ?」
「……あぁ、そうするよ…じゃあな…。」
土方を見送った後、ため息をつきお登勢は店に戻っていった。
万事屋事務所に戻って来た土方はとりあえず銀時をソファーに寝かせると、隣の部屋に向かう。
押し入れから布団を出して引いた後再び銀時の元に行き羽織ってた着物を脱がせる。
かなり酔い潰れてるのか微動だにしない銀時。
「…ったく…こんなになるまで飲みやがって馬鹿が…!」
はぁ…とため息をついた後銀時を抱き上げ寝室に連れていき布団に寝かせる。
(いや、俺にも原因があるか…)
銀時に布団を掛け寝室を後にし、戸を閉める。
土方が刀を横に置き上着を脱いでからソファーに座ると煙草を取出して火を点ける。
何本か吸った後にソファーに横になると静かに目を閉じた…。
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