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そろそろ日付も変わろうとしていた深夜…。
「…ん、う~ん……!」
銀時がゆっくり目を開ける。
「…あれ?」
気だるそうに起き上がると周りを見回す。
「…俺の家…だよな…あれ?いつ帰ったっけ…?」
首を傾げてう~ん…と唸る。
「……ウプッ…!」
突然猛烈な吐き気に襲われ口を押さえながらバタバタと部屋を出て洗面所に向かう。
「…うげぇ…!」
胃から逆流してきたものを吐きだす銀時。
「…はぁはぁ…気持ち悪ぃ…!」
暫くすると誰かに背中を擦られるのを感じて振り返る。
「…飲み過ぎるからだよ…ったく…ほら全部吐き出せ。」
土方だった。銀時が驚く。
「……!お、ま…っ…帰って…うっ…!」
また吐いてしまう銀時。
土方はため息をついて再び銀時の背中を擦る。
何とか落ち着いた銀時。土方が水を差し出すとそれを受け取り一気に飲んだ。
「…大丈夫か?」
優しく言う土方だが銀時は戸惑った表情をする。
「……帰って来ねぇかと思った。」
銀時がボソッと呟く。
「…んな訳ねぇだろ…ここは今日からは俺の家でもあるんだからな…。」
そう言うとクルッと背を向け洗面所から出ようとする。途中振り返り、銀時に言う。
「風呂沸いてるから入れ。着替え持ってきてやるから。」
土方が去った後、銀時は着てる服を脱ぎ捨て風呂場に入った。
約30分後に銀時が上がって来た。「…上がってきたか。どうだ?気分は…。」
煙草を吸いながら土方が問う。
「……最悪。」
銀時が頭を抱えふらつきながら答えた。
「………」
土方が煙草を灰皿に押し付け立ち上がり銀時の元へ歩く。だが銀時が後退りし、土方に背を向ける。
「……つぅ訳だから…寝るわ…おやすみ!」
そう言って寝室の戸を開け中に入ろうとしたが足が止まる。
土方が後ろから抱き締めてきたからだった。
銀時が硬直し、微かに震える。
その震えを止めるかのように土方が銀時を力強く抱き締める。
「…昼間は悪かった…それと飯、美味かったぜ…サンキュー。」
「………!」
スッと腕を解くと銀時を自分に向かせる。
だが銀時は目を伏せたままだ。
「…俺が大人げ無かったよ…あれぐらいでイライラしちまって。…けど…。」
銀時が顔を上げる。
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