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そう言って銀時が肩をすくめる。「…チッ…!」
土方が舌打ちする。
銀時が何やら考え込む。
「…いっそのこと本当に結婚するかぁ?」
銀時が冗談混じりに言う。
「なっ…!?ばっ、馬鹿言ってんじゃあねぇよっっ!んなこと出来るかぁぁぁ!!」
きっぱり否定する土方に銀時が顔を引きつらせる。
「…んだよ…冗談だろが…何頭ごなしに否定してくれてんの?」
そう言って銀時が拗ねたように顔を逸らした。それを見た土方が慌てる。
「…あ、いや…別に…。」
銀時がチラッと土方を見た後ため息を付いた。
「…ああ、そういうこと…。いざ結婚となったらやっぱり女がいいってかぁ?」
嫌味っぽくそう言って土方を睨む銀時。
「…そりゃあそうだよなぁ?俺みたいなオッサンより綺麗なお姉ちゃんのがいいよなぁ…。」
そう言って遠い目をする銀時に土方が反論する。
「ば、馬鹿言ってんじゃあねぇよ!誰もんなこたぁ言ってねぇだろが!!」
だが銀時は白けた表情を土方に向ける。
「…俺はお前が結婚相手見つけるまでの繋ぎなんだろ?」
その言葉に土方がキレた。
「違うって言ってるだろがぁぁぁ!!俺はなぁ…一緒になるならお前って決めて…!」
そこまで言って黙り込む。
「…さっき思いっきり否定しといて…説得力ねぇんだよ!!」
お互い睨み合う二人。土方が困ったように頭を掻く。
「だから…今は無理って意味だよ…まだ…お前養っていける自信がねぇ…!」
それを聞いた銀時が目をぱちくりさせる。
「はぁ?養うって何?俺は別にお前の稼ぎだけ当てにしてる訳じゃねぇよ!ちゃんと万事屋も続けるつもりだし。」
土方がいきなり銀時の腕を引いて抱き寄せた。
「…俺はお前にこの仕事辞めて家に居て欲しいんだよ…!」
銀時が土方の腕の中で苦笑する。「いきなり関白宣言ですかぁ?お前って意外と古風なのな。」
ククッと面白そうに笑う銀時。
「…まぁ、考えとくよ。つか、今は噂の件どうするか、だろ?」
「そ、そうだな…。」
銀時に言われて本来の話題に戻そうとする土方。
「お前が言った通り下手に否定するとまた別の噂立ちそうだしなぁ…。」
土方は暫く考え込んだ後、銀時を見る。そして…。
「…一緒に暮らす…か?」
思いがけない土方の申し出に銀時が一瞬目を疑う。
「…マジでか。」
「ああ…何か噂わざわざ否定して回るのも面倒くせぇ…。」
土方が銀時の目を真剣に見る。
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