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「…お前、今後間違っても人前であんなことするなよ?」
そう言って土方を軽く睨む。土方はフッと笑って…。
「…なら人前じゃなきゃいいんだな…?」
耳元でそう囁かれ、銀時が益々赤くなる。
「ば、馬鹿言ってねぇで…ほら、用は済んだんだから帰れや!」
土方に背を向け、家に戻ろうとする銀時を後ろから抱き締める。
「…まだお前と居てぇ。…駄目か?」
抱き締める腕に力を込めると銀時が硬直する。チラッと周りを見ると数人の道行く通行人がこちらを見ていた。
「…わ、分かったから…離せよ。」すっと腕を解く。銀時が土方の腕を引っ張って家に入れた。
「…人前でやるなっつっただろが…!」
玄関入って戸を閉めた後、腕を離してから言う。
「俺は構わないが?」
その言葉に銀時が土方に振り返りキッと睨み付けた。
「俺が構うんだよ!!今度やったら…殺す!!」
土方が肩をすくめる。
「ハイハイ。分かりましたよ…。」そう言ってから銀時の腕を掴んで引き寄せた後抱き締める。
「…ちょっ……!?」
銀時が押し退けようとする。
「…人前じゃねぇだろ?」
そう言って更に強い力で銀時を抱き締める土方。
「……!」
暫くして土方の背中にそっと腕を回す。そのまま抱き合う二人。
土方の方からそっと身体を離す。「…そろそろ戻るかな…。まだ少し片付け残ってるから。」
銀時の表情が微かに曇る。それを見た土方が苦笑する。
「そんな顔すんな…。明日からはずっと一緒なんだ…。な?今日だけは我慢しろ…。」
そう言って銀時に軽く口付ける。「…んなの、分かってる…!」
銀時が土方の胸に顔を埋める。
「…分かってるけど…もう少しだけ…!」
土方が優しく微笑み銀時を抱き締める。
「…分かった…もう少しだけな。」抱き締める腕に力を込める。
暫くして今度は銀時から離れる。そして土方に背を向ける。
「…行けよ…片付け残ってんだろ?」
震える声で言う銀時に土方が苦笑する。
「明日…朝早く来るから。」
そう言った後、一瞬だけ後ろから銀時を抱き締め、去って行った。銀時がその場に座り込む。
「…早く明日にならねぇかな…。」期待半分、不安半分の気持ちで明日を待つ銀時だった。
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