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3時を回った頃、土方が帰って来た。居間に入ると新八がソファーに座っていた。
「あ、土方さん…お帰りなさい。早かったですね?」
土方を見てそう言う新八。
「…早めに切り上げてきた…アイツはおとなしくしてたか?」
新八は寝室の方を見る。
「はい!銀さん今は薬飲んで寝てますよ。」
それを聞いてホッとした表情を見せる土方。
「ならいい…ありがとうな…急にこんなこと頼んじまって…。」
新八が笑って首を振る。
「いえ…じゃあ僕は帰りますね。」新八がソファーから立ち上がる。「…これ…礼だ…姉貴とチャイナと一緒に食え…。」
そう言って和菓子が入った紙袋を新八に渡す。
「あ…すみません。遠慮なく戴きます。」
受け取りながらふと新八が土方を見る。
「…?何だ?」
その視線に気付き問う土方。
「いえ…あの、お二人が上手くいってる様で安心しました!」
そう言って新八が笑う。
「銀さんは本当にだらしなくてどうしようもない人ですけど…土方さんみたいなしっかりした人が傍に居たら僕らも安心です!」
真っ直ぐな目でそう言われて土方が照れた様に咳払いする。
「どうかこれからも…銀さんをお願いします!」
頭を下げる新八に土方が微笑む。「…あぁ…分かってる。絶対…離さねぇから…。」
その台詞に新八の方が照れる。
「あはは…なんかアテられちゃいました…じゃ、じゃあ失礼しますね?」
新八は土方に一礼し事務所を後にした。
土方は煙草を灰皿に押し付けた後で寝室の戸を開ける。
すやすやと眠る銀時。傍に行き座るとおでこに手を当てる。
「…熱は下がったか…。」
ホッとし、銀時に軽く口付け寝室を出た。
隊服を脱ぎ着替える土方。
着替えた後、ソファーに座って煙草に火を点ける。
暫くそのまま煙草を吹かしているとスッと寝室の戸が開いた。
「…ふわぁ…あれ?お前、もう帰ってたの?」
あくびをし、眠そうに目を擦りながら言う銀時。
「…言っただろ?早めに仕事切り上げるって。」
「…ハイハイ…全く…多串くんは過保護で困るよ本当…。」
よろよろと土方の隣に座る。
「寝てなくて大丈夫か?」
「熱下がったから平気…。」
そう言って土方にもたれる。
土方は優しく微笑んで銀時の肩を抱く。
「最近料理とか頑張ってたからな…知恵熱でも出たか?」
土方が冗談混じりに言う。
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