甘い口付け

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「知恵熱って…小学生かよ…。」 ムッとする銀時の髪を触る土方。「…冗談だ。」 ククッと笑う土方。 「…所で…コレ何?」 銀時が机に置かれた紙袋を指差しながら言う。 「あぁ…土産だ…さっき眼鏡に渡したヤツと同じ和菓子だ。食うか?」 銀時がパァと目を輝かせる。 「マジでか!食う食う!」 土方が苦笑し立ち上がる。 「じゃあお茶淹れてきてやるよ。」そう言って台所に向かう。 銀時が紙袋から箱を取り出し包装を開ける。 「…おぉ…すげぇ…!」 中には色んな種類の饅頭や団子が入っていた。 土方が戻って来た後も銀時は箱の中身を眺めていた。 「食わねぇのか?」 土方がお茶をお互いの前に置く。「いや、食うけど…崩しちまうの勿体ねぇなぁって…。」 土方が笑う。 「なっ…笑うなぁぁぁ!こんな高級そうなヤツ滅多に口に出来ねぇんだぞ!?」 「そうか…ならまた買ってきてやるから…食え?」 土方がそう言うと銀時は満身の笑みを土方に向けた。 「マジでか!約束だからな?」 そう言ってニッコリ笑う。 「…!あ、あぁ…。」 土方が銀時から顔を逸らす。だが銀時は気にした様子はなく再び箱に目を落とす。 「んじゃ…いただきます!どれから食うかなぁ…迷うなぁ…。」 暫く悩んだ後、饅頭を手に取り口に運ぶ。 「…ん~美味い!…やっぱ高級なヤツは違うわ…コンビニで買うヤツとは訳が違うぜ…!」 幸せそうに頬張る銀時に優しい笑みを向ける土方。 「…そりゃよかった…。」 正面を向き言う土方を見つめる銀時。 「…お前も食う?ほらあ~ん!」 銀時が饅頭の欠片を土方の口元に持っていくが…。 「いや、俺は甘いモンは…。」 そう言って拒否する土方に銀時はニヤリと笑い饅頭の欠片を口にくわえた。 「…いいから…食えよ?ほら…。」そう言うと土方の首に腕を回して顔を近付ける。 「…なっ…!?」 口にはまだ饅頭の欠片をくわえたままで土方の唇に自分の唇を近付けるが寸前で止める。 「…銀さん込みでも食えねぇってか?オイ…。」 「……!」 じっと銀時が土方を見つめる。土方は暫くそのままだったが銀時の首の後ろに手を掛けた。 「…分かったよ…。」 そう言って銀時の口から饅頭の欠片を自らの口でくわえる。ゴクリと飲み込むと顔を歪ませる。 「…甘ぇ…。」 銀時が笑う。 「その甘さがいいのになぁ…その良さが分からねぇか…勿体ねぇ…んじゃ…もう一個…。」
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