No Trixx!!!!

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「あ!香月ちゃん!やっほー!」 「おぉ、今日は人が集まるなぁ。いらっしゃい。」 入ってきたのは、上品なドレスを着た銀の髪が美しい婦人。 優雅な仕草で日傘を畳み、にっこりと微笑みながらLUCCAと琥太郎にひらひら手を振った。 「LUCCAちゃん来てたんだね~。お昼に来るなんて珍しいねぇ。」 「香月ちゃんこそ。この時間帯は珍しいんじゃない?」 「犬の散歩のついでに寄ったのよ。」 「ソルトも一緒?外に居るの?一緒に入ってきなよ。」 「ううん。顔見に来ただけだから。」 穏やかな表情を浮かべながらコツコツとヒールを鳴らしてカウンターに近づく香月。 どうぞ、と琥太郎がカウンターの席に手のひらで招くと、ニコリと笑って微笑んで彼女はその席に着いた。 「ちょっと何か飲んでいきなよ。ソルトにもミルクあげるから。」 「あらぁ。でも悪いわぁ。」 「いいよいいよ。僕が連れてきてあげる。」 エプロンを外しながらカウンターを出ると、琥太郎は足早に店から出た。チリンと可愛いベルが揺れる。 「今日は天気良いね。」 「ホントねぇ。あらビール?私も頂こうかしら?」 「おやおや?お妃様が昼間っから大丈夫ですかー?」 「やだもうお妃様だなんて。」 ふふ、と上品に笑い謙遜を見せた香月だが、LUCCAの言う『お妃様』と言う言葉はいい加減なものではない。 香月は貴族だ。
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