No Trixx!!!!

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国が発行する貨幣には2種類ある。 1つは、通常の生活の為にある通貨。 もう1つは、国王の紋章が刻まれた金貨。 この金貨は『対価』の為のモノではなく、『評価』の為のモノだった。 王立造幣局より、直接一般国民へ送られてくる。 手に入れるには、『評価』されなければならなかった。 「あ、あの!」 チリン、と、また軽やかな音を鳴らして扉が開いた。 琥太郎は素早く反応して扉に目をやる。 「いらっしゃい、ませ?」 立っていたのは幼い面影の残る少年だった。 その後ろに香月がニコニコしながら立っている。 香月に背中を押されながら、まだ声変わりも終わっていない高い声で、彼は力いっぱい尋ねた。 「こ、ここ、ここは、のーとりっくすの受付ですかっ!?」 顔を真っ赤にさせ、でも堂々とした態度。 あまりの可愛さにLUCCAがニヤリと笑って顔を伏せた。 「そうだよ。いらっしゃい。」 「お、おじゃ、おじゃましまつっ!」 ブフッと吹いたLUCCAのお団子を、琥太郎がペンッと叩く。 「賛同者かな?」 「はいっ!」 「じゃあ、これに名前を…」 「あああああのっ!」 「はい?」 「この前の演説っ!感動しましたっ!良かったですっ!とっても!」 「…おおぅ。ありがとう。」 ふん、と、鼻息荒めに、目をキラキラさせながら琥太郎を見る少年を見て、香月は、「若いって良いわねぇ。」と独り言を言いながら、ニコニコとLUCCAの隣に腰かけた。
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