聞こえる

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それからしばらく 太陽に会うことはなかった しろは 食欲も旺盛で 元気に紗綾のアパートを走り回っていた。 灰色に見えていた毛も 綺麗に洗って真っ白だ… 今日は 尚太とのデートの日… ショッピングをして そろそろランチでも… と話していた時だった 「なんだ?こいつ?」 「車椅子の上声もでねーの?」 数人の男が 何かを囲っている… 周りの人間は 見てみぬ振りだ……… 「…私、行ってくる」 「!ダメだよ。俺が行くから、紗綾はここにいて」 「…………わかった…」 尚太は紗綾を引き留め 自ら男達の中に割って入った… 「何してるんだ?」 「ぁあ?何お前」 “来ちゃ駄目です” 「ーッ?!」 紗綾の心に 響く声……………… (太陽さん…?) 「寄ってたかって…この人が何かしたのか?」 尚太は冷静に 凛と言い返した。 「こいつがぶつかって来たんだよ!」 「ぶつかった?…車椅子じゃないか…お前達が避ければ済むことだろ?」 「…何なの?お前」 男たちは 尚太の態度にイラつきを隠せないようだ… “こいつら、ナイフを持ってる!” 「?!!」 .
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