2人が本棚に入れています
本棚に追加
その声は
太陽に間違いなかった
太陽の声に
必死に男たちの元に駆け寄った時
悲鳴が聞こえた
「キャーーー!!」
野次馬の
女性の叫び声………
「う゛ぅ…あぁ……?!」
自分の状況が飲み込めず
呻き声を上げる尚太…
“ごめんなさい!”
尚太から
流れ落ちる血は
止まる気配を見せない…
「…尚太!?」
「………紗綾?…どこにいるんだ…?」
尚太の目の前に居る紗綾の姿が
写ることはない…
“ごめんなさい…!”
声にならない声を
必死に叫ぶ太陽…
「……なんか…顔が…べたべたするんだよ…」
尚太と太陽を囲っていた男たちも
目の前の現実に
腰が引けている…
「…なぁ、紗綾……見えないんだ…痛いんだ…」
「尚太…大丈夫!今、救急車を呼ぶからね」
「………?救急車…?どうして…救急車なんか…」
「……尚太…」
真っ赤に染まる
尚太の両目が
血液によって閉じられている…
それはあまりに悲惨で…
そしてただの
偶然だったのだろうか…
.
最初のコメントを投稿しよう!