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「ちょっとアンタたち、迷惑が過ぎるんじゃない?」
2人の席の前に立つ女性の顔には、あからさまな嫌悪の色。年齢的には、2人と変わらないくらいか。
「す、スイマセン・・・・・・」
慌てて謝る翔太。
「それとアンタたちどこのメンバーなの?」
「どこのメンバーか?」と聞かれるだけで、「どこの走り屋チーム所属なのか?」という風に瞬時に変換できるのは、この地方だけだと思う。
「俺たちはチームには入ってない。フリーだ」
「ふん、尻振りごっこも満足に出来ないド素人が、偉そうにウチのチームの陰口叩くわけ!?」
「「は!?」」
真人達は身に覚えの無い言いがかりをつけられたのだ。
「何の話だ?俺たちは誰かを怒らせるような話をしたつもりは無い」
「とぼけたって無駄よ、私が全部聞いてたんだから」
さっきから聞いてれば・・・・と、真人の頭で、何かスイッチが入る。
「この辺で1,2を争う実力を持つチームのメンバーなら他人の盗み聞きもOKとは、この街では大きなチームに入ってりゃいくらでも好き勝手出来るんだな」
「おい朝田ぁ・・・・・・」
拳を真っ白になるほどに握り締めながら歯を食いしばる彼女を見て、恐る恐る真人を止めようとする翔太。
「な、なんですって!!?」
女性の興奮が頂点に届きそうになる頃、一人の男性が止めに入る。
「悠さん、いい加減にしなさい」
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