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【401号室】
映されたのは病室の横のプレートだ。
埃(ほこり)まみれになっていて色は薄いが、確かにプレートにはそう書かれている。
カメラのすぐ近くで怒鳴る男性の声。
「何でだよ!? 401って四階だろ!? 俺達一階にいるはずだろ!! 一体どうなってるんだよ!!」
なだめるように、しかし緊迫した口調で女性の声が続く。
「落ちついて!! とにかく下に降りましょう!! 話はそれから」
「だけどおかしいだろ!? 一階上がっただけで、四階……えっ?四階!?
……。
……。
それってあの写真に写っていた!?」
今まで一番の動揺の声が出たその時だった。
カメラが映していたプレートの部屋のドアが、ゆっくりと開いているのが見えた。
木が擦れるような、いやーな音をたてて。
二人は恐怖で声を出すことも出来ない。
画像は少しずつドアから遠ざかっている。
男性が後ずさりしているのだろう。
しかしすぐに反対側の壁にぶつかったのか、画像が少し揺れてその位置から動かなくなった。
緊張が最大に達しているのだろう、小刻みに震える画像。
そしてドアが完全に開く。
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