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数秒後ナレーションが流れる。
「我々はこの事実をスタジオに戻り、録画された映像を観て初めて知った。
この夜我々スタッフは、明るくなっても戻らない三人を心配し、手分けして病院内を探したのだ。
するとあるスタッフの一人が、四階の例の心霊写真の男が写っていた部屋の前の廊下に、ホームビデオが壊れて落ちているのを発見した。
この時三人の若者は、どこにもいなかった。
この件はすでに警察に報告済みだ。
我々は断言する。
この廃病院の中には我々の想像を越えた、何かがいるという事を……」
暗くなった画面を見ている鷹志達は、体を硬直させていた。
自分がその場にいるような感覚になり、動けば何かに攻撃をされそうな気がし、動けなくなってしまったのだ。
ただ鷹志には恐怖の感情の他にも期待などがあった。
調査してみたいという思い。
そんなふうに思うのは鷹志だけでなく、光一にも少なからず、その気持ちがあるようである。顔がそれを物語っている。
そんな期待感を持ったまま、声には出さずに次の話へと進む。
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