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「そうですよ。
本当に出来るのなら見せて下さい!」
「んー、そうねぇ。」
女の人は辺りを見回す。
「あ、あの子がいいわ!」
と、ジョギングをしているおじさんに指をさす。
「あのおじさんがどうしたのですか?」
女の人は僕の顔前で人差し指を立てる。
「うーん、結構悪いのが憑いてるわね。
あのままじゃ先は長くないわ。」
「ええ?!何急に恐ろしい事を言ってるんですか!」
不謹慎にも程がある。
「大丈夫よ、今から除霊してあげるんだからね。」
と、小さな巾着袋から一枚の紙を取り出した。
その切手大くらいの大きさの紙を、彼女はおじさんに向けてフッと息を吹き掛ける。
紙はありえないスピードで飛んでいき、おじさんに命中した。
「ふぐぁ?!」
おじさんは地面に倒れた。
「うわ、大変だ!
救急車呼ばないと!」
携帯を取り出した僕を彼女は止める。
「大丈夫・・よ、憑いていたモノ、払っただけだからぁ・・!!」
と、妙に彼女は興奮していた。
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