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「ただいまー」
玄関の扉を開けると、奥のリビングから中学生の妹の百合が覗く。
「あ、おかえり、お兄ちゃん!」
「百合、もうご飯は食べた?」
「ううん!今作っている所!」
百合も、もう自分で料理が出来る様になったのか・・。
お兄ちゃんは嬉しいぞ!
リビングに入ると、百合はエプロンを着けて料理をしていた。
僕の両親は共働きで家に帰って来ない場合が多い。
幼い頃から百合の世話は僕がやっていたので、こんなお兄ちゃんっ子になってしまったのだ。
「この匂いはシチュー?」
と、鍋を覗くと案の定シチューがコトコトと煮えていた。
「うん!おいしそうでしょ?
もう少し待っててね。」
「オッケー。」
と、僕は椅子に座ると机の上の名刺に目がついた。
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