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「…かくして、幼馴染みの恋人を裏切り、友人を裏切った被告、赤沢真緒とその相手、黒塚…ん~と…ああ面倒臭い、チャラ男でいいや。とにかくお前達に死刑を宣告する」
ボンデージファッションのグラマラスな女性が、とても厳かとは言い難い口調で両手両足を縛られたカップルに死刑を告げる。
「ちょ、待てよオイ!何で俺達が死刑なんだよ!ざけんじゃ…ぐああっ!」
チャラ男の反論を遮るかの様にボンデージ姿の女性が、肩口に朱塗りのバットを叩き込む。
注視すれば気付くかもしれない。
その朱が血のソレである事に。
「黙れ寝取り男。アタシゃお前みたいなヤる事しか考えていない人種は大嫌いなんだよ。うん、個人的に気に入らない。運が悪かったね、どゅふふふふ」
怪しげな笑みを浮かべ、朱バットを愛しげに擦るボンデージ女。
そして女は縛られているもう一人の女に目を向ける。
「さて、何か言いたい事はある?」
女の問いに真緒はキッと目を見開いて答えた。
「アイツが私をほったらかしにして大学に行ったから…っ!先輩は毎晩寂しくて泣いてた私を愛してくれたのよっ!私が一番って言ってくれたの!もう私は先輩しか考えられないのよっ!」
真緒の言葉に女は凄絶な笑みを浮かべる。
「愛、を語ったね、アンタ。じゃあ試してやろうかねえ」
女はバットをチャラ男の股間に当てる。
「ちょ、テメエ、何…」
「愛してるんならさ、コイツがどんな状態になっても愛するって事だよねえ?」
パンッ!
「う…ぎゃああああああああっ!」
チャラ男の睾丸が女によって一個潰された。
「せ、先輩っ!」
「生殖機能を失ってもさ、愛する事が出来るんだよね?恋人と友達を裏切って手に入れた愛とやらはさあ!」
「あ…あああ…」
女の言葉に真緒の顔面は蒼白となる。
裏切ってまで手に入れた先輩との爛れた愛欲の日々が…無くなる?
「ま、待ってくれ!お前、直哉と茜に頼まれたんだよな!」
チャラ男が縋る様な口調で女に問い掛ける。
「依頼人の事は明かす訳にはいかないね」
「お、俺、真緒から手を引く!直哉に伝えてくれよ!なら許してくれるだろ?」
「え…ええっ!?先輩!私が一番って!」
驚く真緒に向かってチャラ男が言う。
「うっせーんだよ、雌豚が!そんなのお前を手に入れる為の嘘に決まってんだろ!俺は穴なら何でもいいんだよっ!」
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