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かるまは中性的なルックスの美少女で175cmの長身なものだから、異性より同性に人気があるのであった。
「なぁに、心配要らないさ。アタシ、あの娘の想い人を知ってるもの。つー訳で、愛娘の為に引っ越すぜ!どゅふふふふ」
豪快に笑う紫。
巨大な胸がプルンプルン震えている。
「おおそうだ、アニキ」
「…かるちゃんが素材ならスク水とかブルマとかがいいかな…いや待てよ、メイドも中々…」
「アニキっ!」
「うひゃあっ!な、何すか?」
妄想から現実に引き戻された憂に紫が言った。
「アタシが引退したからにゃ、アニキにどんどんお見合い話を持ってくるからね!いい加減片付かないと娘の教育に悪いし、アタシと景虎の邪魔になるし…ウザいからさ」
「ガーーーン!」
「憂さん…フォロー出来ないです」
後にお見合い話で一騒動あるのだが、それは別の話。
とにかく、魔法処刑人は次代に引き継がれる事になった。
そして――
「また迷宮入りするのかしらね?」
ショートボブに眼鏡をかけたスーツ姿の女刑事が現場を見て呟く。
彼女の名は桂浜巴。
一連の殺人事件を追っている刑事である。
「問題は、犯人逮捕に協力的な連中がいないって事すよね。みんな恨み買ってるもんだから、殺されて当然っつーか」
巴の側で後輩の刑事が呟く。
彼の名は奥部克也。
最近、巴の署に配属された新人刑事である。
「気持ちは分かるけど、法を無視して裁かれるのを認める訳にはいかないの」
厳しい口調で巴が言う。
「絶対、私が捕まえてみせる。それが私の仕事だもの」
「そーいうモンすかねえ?あ、もしもし、おー、クリスちゃん!うん、今俺現場!」
「奥部刑事っっ!職務中なのに貴方は何を…っ!」
「あ、やべ…ちょっと待ってね、また後で…」
「全く…もう…」
ため息を吐く巴。
同僚には、仕事に真面目過ぎるから、婚期を逃してる、なんて言われる。
仕事に真面目で何がいけないの?
つか、そういうのに理解無い人と結婚したくないし。
そんなキャリアウーマンの鑑みたいな女性、巴。
彼女と次代魔法処刑人かるまの追いつ追われつの戦いが今始まろうとしているのであった。
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