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誰もいなかったはずの空間に突如として現れた謎の男性。
彼は自分の事を死に神だと言っている。
普通なら信じるはずのない状況だが、私は彼の台詞に妙に得心がいった。
背後から現れた事よりも、この不可思議な状況よりも、彼が人外のものだと言う事は、他ならぬ彼自身のオーラが物語っていたからだ。
黒一色で統一された衣服。
腰まで伸びた漆黒の髪。
ともすれば青白さともとれる肌。
そして何より、人ならざるあかしの、燃える様な紅い瞳。
死に神かどうかはともかく、確かに人間ではないのだろう…
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