0日目

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  『先程から気になっていたのですが、もしや貴女様…記憶が無いのでは?』     小首を傾げながら尋ねる死に神が一歩、私に近付いた。     「……どうして知っているの…?」     背後にスペースは無いので、私は球体の壁伝いに死に神から距離をとる。     『やはりそうですか…』     大袈裟に嘆くそぶりを見せた後、死に神はまた一歩。     「でも、ほんのちょっとの間の記憶だけよ?」     私もまた一歩。   近付くと距離をとる。 そんな私に死に神はキョトンとした表情を浮かべている。   それはまるで、何故自分が避けられるのか、純粋にわからないとでも言っているかの様だ。   普通の人間は、死に神を避けると思うのだけれど…  
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