０の笑点

０日目

　
今日は普通に学校に行き、授業を終え、後は帰宅するだけだったはず。

それなのにどうしてこんなところにいるんだろう？

…いや、もう帰宅を始めていた気もする…
その辺の記憶がどうにも曖昧だ。

私は球体に触れる位置まで移動した後、出口は無いかと手で探りながら霞みがかった記憶の糸をたどり始める。

｢…駄目だ…思い出せない…｣

帰宅する為、友人達に声をかけたところまでは覚えている。
けれどその先の記憶が全く思い出せない。

私は小さく頭を振りながらため息をついた。