THE 1ST 起点

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放課後、もくずにボコボコにされた。 誰もいない教室で一人、ボロ雑巾のように横たわっていた。 あの時は何で自信持って反抗できたんだろう、わからない。 ただ…それでも確かに僕は怖くなかった、今まで怖かったもくずが。 何で…なにもしてない自分ばかり。 なんでこんなにも不幸なんだろう。 もくずも、ターゲットになるような自分も許せない。 「ち…くしょう」 顔をあげて帰ろうとするとあたりの景色がまた色を変えていた。 「こ、これは…あの事故の時と同じ!?」 それは確かに事故の時に見たのと同じように緑と白で配色された世界。 景色は色が変わる前の教室と変わらない。 まるで目にその色を塗ったように景色の色だけが変わっている。 なんで?今回は死にかけた訳でもないのに…。 少し考えるとある考えにたどり着いた。 「僕の体になにか異変が起きているのか?」 数秒後にまた元の状態に戻った。 景色が変わったんじゃなくて、自分の周りを見る見方が変わったのかもしれない。
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