第一章・プロローグ

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第一章・プロローグ

勇者と呼ばれる者は どうしてそう呼ばれるのだろうか? 魔王を討伐に向かうから? いややはり魔王を討伐したからだろう。 なら俺は勇者じゃない。 「アル」 アルレーネ・ヴィディス。 略してアル そう呼ぶのは今の所一人しか居ない。 「何?イヴ?」 イヴ・レイン・アーシュリッシュ という途轍もなく長い名前の少女。 飲み込まれるのでは無いかと思う程、艶のある 黒く長い髪と黒い左の瞳。 右眼は眼帯で覆われてお目には掛かれないが ルビーの様な鮮やかな赤い瞳をしている。 俺の胸倉までしかない身長に幼い容姿は 一見子供に見えるが俺よりも年上。 「この騒ぎ」 口数が少なく 未だ何を言いたいのかわからない時があるが 今回はわかる 「パレードだよ、ほらイヴも手を振るといいよ」 中央にできた人の道を歩く者に手を振るうのではなく 人の道を作る民衆に手を振る。 パレードの主役は俺達だ。 魔王を倒した勇者の帰還 を名目にパレードが催しされたのだ。 だから… 俺は魔王を倒してないですから!!!!!
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