第一章・プロローグ

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「く…わかりました。勅命だ、指示に従え」 現れた時よりも素早い速度で 王の間から魔族が居なくなる、静かになった玉座、これ幸い。 「じゃ、俺も失礼しますね」 流れは俺にある 自然な流れで立ち上がり 王の間を後にしようとするが 「待って」 少女は俺を逃がしてくれなかった。 振り向くと共に双剣を構える。 空かさず、カリューヌが己の身を呈して少女を守ろうとするが。 「カリュ」 「ですがっ!」 「カリュ」 それ以上反論せず、身を退ける。 「お願い」 眉間に谷を作った瞬間 「私を連れてって」 魔王討伐に行って 魔王の娘を連れ帰ってきた勇者など きっと末代の恥として語られるのだろう。 だが俺は断る事ができなかった。 断ったら殺されると思ったからではない と語り継がれる伝説に認めたく思う。
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