562人が本棚に入れています
本棚に追加
/456ページ
俺が魔王を倒しに
【魔王の城】
と呼ばれる魔王のご自宅にお邪魔したのは四日前。
魔王の城に響き渡る
「勇者が攻めて来た」
という悲鳴と怒声の声と共に
ぞろぞろ湧いてくるその手下。
どいつもこいつも上位が付く
悪魔や睡魔、岩擬人に溶怪。
それが作り出す肉壁を斬り拓き
邁進しなければ、件の魔王には会えない。
背中の二本の剣を抜き、中腰に構える。
だが足は一向に前へ進まない。
…無理、無理だから!
一匹一匹の能力が桁違いに高い
にも関わらずこのおぞましい数、軽く五十はいる。
一匹も倒せないで死ぬ
サフィラのお告げを聞かずともわかる。
それでも足を震わせ
腰が抜けなかった事に俺は自分を褒めてやりたい。
最初のコメントを投稿しよう!