第一章・プロローグ

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「じゃ俺はこれで失礼しますね」 勝てない戦いに挑むのは 勇者か馬鹿 だけがすればいい 俺は踵を返し、玄関に向かって歩く あと五歩という距離で開かれた門の様な扉が閉まる。 …ですよねぇ… 「生きて帰れると思うなよ?」 指揮を任される上位悪魔が不気味な笑いを零して言う。 肩越しに振り返ると 悪魔達が武器を鳴らしたり 紫の舌で舐めまわしたりしている。 睡魔は妙に色気を醸し出し 人差し指を動かして こっちにおいでと言葉を告げずに言う。 岩擬人はボロボロと小石を落とし、溶怪はうねうねと蠢く。 退路が絶たれた今 俺が通る道は死 だがただ死を待つのは嫌だ。 玄関の横にあった階段に一目散に逃げる。
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