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「じゃ俺はこれで失礼しますね」
勝てない戦いに挑むのは
勇者か馬鹿
だけがすればいい
俺は踵を返し、玄関に向かって歩く
あと五歩という距離で開かれた門の様な扉が閉まる。
…ですよねぇ…
「生きて帰れると思うなよ?」
指揮を任される上位悪魔が不気味な笑いを零して言う。
肩越しに振り返ると
悪魔達が武器を鳴らしたり
紫の舌で舐めまわしたりしている。
睡魔は妙に色気を醸し出し
人差し指を動かして
こっちにおいでと言葉を告げずに言う。
岩擬人はボロボロと小石を落とし、溶怪はうねうねと蠢く。
退路が絶たれた今
俺が通る道は死
だがただ死を待つのは嫌だ。
玄関の横にあった階段に一目散に逃げる。
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