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死んでいる事を知ると
膝を付いて天を仰ぐ者
項垂れる者
涙を流す者、続々と王の死を嘆く。
…人間じゃないか。
その様はあまりにも人に似ていた。
だが嘆き、怒りが込み上げてくる。その矛先にいるのは俺だ。
「奴だ、奴を王に捧げろっ!」
一斉に殺気立つ群れ。
武器を構えようとした時
「カリュ」
「はぁ、了解です、イヴ様」
「おわっ!」
襟を思いっきり引っ張られ、本日二度目の尻餅強打。
「静まれ、皆の者、いいか?
良く聞け、姫の勅命だ
アーシュリッシュ王に仕える前の王の下へ戻り、指示を貰え
以上だ」
「なっ!カリューヌどういう事ですか」
「そのままの意味だ
それ以上でも以下でもない
わかったらさっさと屋敷を出ろ」
「ですがっ!」
先ほど、魔族の群れを指示していた者が
銀色の髪の女、カリューヌに食い付く、が。
「口答えするか?」
直感が告げた様に
人の姿をした女二人はこの無数いる魔族達よりも強い。
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