入学式

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校門をくぐる拓哉 そこには、4つの校舎と広い400㍍タータンのトラックが広がっていた そのトラックを見ながら、拓哉は少し寂しそうな顔をしていた くつ箱の前に貼っているクラス表を見て、自分のクラスに向かった 生徒はいなかった それもそのはず、拓哉が学校に着いたのは、登校時間の1時間も前だったからだ 拓哉は横浜から引っ越して来たので、誰一人知り合いがいない 拓哉は誰もいないだろうと思いながら、教室に入った すると、クラスには一人の少年が既に席に座っていた 拓哉は少し少年を見たあと、目を離し自分の席に座った その少年とは席が隣だった 少し沈黙が続くと、少年が「君、南拓哉君やんな」と言ってきた ```―拓哉側― あまり関わりたくはなかったので「そうだよ、よろしく」っと、言って話を終わらせようとした すると少年が「やんな、100㍍で中学新記録を出した里島南中学の南拓哉やんな」っと、少年は少し興奮気味に言った もうバレているから、仕方なく「そうだよ、君は陸上部かい?」っと、言った 少年「うん、俺の名前は門双馬(もん そうじ)。ってか、何で横浜の君が大阪の高校におるん?」 拓哉「お、親の用事でさ、大阪に住むことになったんだ」 双馬「へぇ~、そうなんだ、推薦で入ったのかと思ったわ、 俺は京都からきてん。 自慢じゃないけど、11.06で全国には行ってるねん。まぁ、10.57の君には負けるけどね」
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