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「ダストボックスと言い名付けました!」
「ゴミ箱じゃねぇかぁ!!」
「この箱に収められたフェロモンは動物の本来に眠る殺人衝動を駆り立てる作用がありまして、統制の取れた集団でも忽ち殺し合いを始めます。
蟻はもちろん集団生活を形成する犬と猿で試しましたがいずれも大成功でしたよ!」
「そんな…貴様、ワシの研究を盗んでそんな非生産的な物を作っていたのか…!!」
「人間なんてただ数を増やしたって無駄何です博士、生き残るのはより有能で力のある者だけだ。」
「馬鹿な…狂っている。お前の薬は世に出す訳には行かん」
「残念ながら、もう配って来ました。私の部下が世界各国で撒き終えたと連絡が来た所です。」
「ワクチンは無いのか?対策方は…?」
「風邪じゃ無いんですよ、ワクチンなんて。ただちょっと気分がハイになるだけですよ。フェロモンですからね。」
「おぉ、私は間違っていた。こんな化け物を育てていたとは…」
「止めたいのなら、今からでもその発情剤を散布してみますか?愛は世界を救うかも。」
ふふ、と笑って三枝は研究室のテレビのスイッチを付けた。
世界が壊れる音が聴こえた。
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