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『空戦武装、ブラックゼータキャリバー…と言ったところか。これがこの勇者機兵が持つ、本来の自分自身のイメージらしい』
自らの身体を見下ろしながら、満足そうに呟く。
『我は、憑依した身体が記憶する力を引き出すことが出来るのだ。もっともその代償を支払うのは憑依された者だが…物言わぬ骸であれば関係あるまい』
さらりと告げられたその言葉に、ゼータキャリバーは驚愕する。
しかし何かを口にするよりも早く、ブラックゼータキャリバーは身構えた。
『さて、その戦闘力がどれほどのものか、試してみるとしよう』
その台詞を告げたと同時。
ブラックゼータキャリバーの姿は、ゼータキャリバーの目前にあった。
視界が情報を捉えるよりも早く、本能が剣を振るう。
今まさに首をはねようと振るわれた刃を、咄嗟にクリスソードで受け止めた。
『なるほど。機動性は大したものではないか?』
『ぐっ…!』
その動きは、ゼータキャリバーを遥かに超えている。
その事実を突きつけられて穏やかでこそいられないものの、正人の闘志がそがれることは無い。
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