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正面からの力比べに敗れたゼータキャリバーは、衝撃によって抉られた地面へと叩き付けられた。
中に浮いたままのブラックゼータキャリバーは、傷らしい傷を負うことも無く悠然と滞空している。
『勝負を焦ったな。力押しでは我には…いや、この堕勇者には勝てん』
勝者の余裕で見下ろした姿勢のまま、きっぱりと告げるブラックゼータキャリバー。
対するゼータキャリバーは、意識こそ手放さなかったものの、その全身は衝撃によって傷つけられ、所々に亀裂が入る有様だった。
苦痛に顔を歪めながらも身を起こしたゼータキャリバーは、上空からの視線に真っ向から向き合う。
『クリスフラッシュが…効かない…!』
相手の技の発動前に切り込めば勝機があると踏んだのだろうが、その考えは浅はかであったようである。
早期決着を望むあまり、少々短絡的に行動してしまったことを反省する。
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