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そんな彼を横目で眺めていたマシロだが、それを見ていた白い死神もまた、シロへと視線を移した。
それを、協力的でない男への抗議と感じたのか、白い死神は僅かにその身を起こす。が、それに気付いたマシロは慌てて静止の言葉を掛けた。
「わわ、待って、しーちゃん!!」
…ちなみに、しーちゃんとはマシロがつけた、白い死神の愛称である。随分可愛らしくなってしまったが、この面子では否定する意見が出なかったために、正式に採用される運びとなった。
名付けられた当人は話せないために、どう思っているかは不明であるが、特に否定的なリアクションを示さない。案外気に入っているのかも知れない。
そのしーちゃんはというと、突然の静止に驚き、思わずマシロを振り返っている。言葉こそ無いものの、どこか不満を抱いているように見えなくもない。
そんな態度にもめげることなく、マシロは人差し指を立てて、”静かにしなさい”というジェスチャーをして見せた。
「シロ、ずっと歩いてて疲れてるみたいだから、そっとしておいてあげて。ね?」
マシロの言葉に、白い死神はしばらく思い悩むかのように硬直していたが、しばらくして再び元の姿勢へと戻ると、その発言を理解したという意思表示のためか、彼女のジェスチャーを真似して見せた。
マシロは満足そうに頷く。
「ありがとうね、しーちゃん」
どうやらこの面子の中で、最も位が高いのはマシロのようであった。
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