6人が本棚に入れています
本棚に追加
苦笑を浮かべつつ身を起こそうとした、その時。
シロは”それ”に気付いた。
「…何だ?」
視界の端に光って見えたそれは、シロの傍らに落ちていた。金色で、ネックレスの破片のようなそれは、どう見てもガラクタでしかない。
そのはずなのだが、その塊が視界に飛び込んできた瞬間から、頭で理解できる以上の何かを感じている自分自身を自覚したのである。
拾い上げるために手を伸ばす。何故か不安に駆られるが、そこは敢えて無視した。
「一体、こんな欠片が何だと言うんだ…?」
その手に、触れた。しかし何も起こらない。
シロは手にとり、観察する。
どう見ても、単なるガラクタにしか見えなかった。
「………………………………?」
首を傾げる。自分の記憶にも、そして脳の中に残された記憶にも、該当するものはない。
その時である。
最初のコメントを投稿しよう!