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カナメは、目前に立つシロを見る。
砕けた欠片は、この世界における象徴存在である神条正人の下に辿り着いていた。目前の彼は、同じような境遇で欠片を手にしている存在である。
(これは偶然? いえ、もしかしたら…彼もまた、象徴存在であるということ…!?)
その可能性を、頭から否定する要素はない。カナメは意を決して問い掛ける。
「…シロさん。唐突で申し訳ないですけど、わたしの願いを聞いてはもらえませんか」
「私に、届け物をしろと言うのか?」
シロの質問に、カナメは頷く。その上で、言葉を続けた。
「はい。そして……貴方にも参戦して頂きたいんです」
一端言葉を切り、そしてはっきりと告げた。
「ヒホウを守るために…貴方の”勇者”としての力を貸してください」
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