二ノ巻

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新選組の屯所は、妙に汗臭かった。 「逃げたら殺すよ」 門の前で、改めて言われた言葉。 びくんと跳ね上がる私の方を見て、沖田さんはそれを確認するとさっさと中に入って行ってしまった。 「ったく総司のやつほんと容赦ねぇなぁ。俺はお前のこと白だと思うけど‥ありゃあ一体どういうことだったんだ?」 藤堂さんが困った顔をしながら問いかけてきて、私は何も言えなかった。 「・・・それは、色々と‥」 「ふーん…。ま、すぐにわかるだろうけど」 その言葉の意味を、分かっていた。 ――…尋問、されるのだろう。
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