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通された部屋には、すでに数人、新選組の幹部であろう人たちが待ち構えていた。
「で、その女がどうしたってんだ」
長い黒髪をして、眉間にしわを寄せている青年。
「怪しいから連れて来たんですよ。やたら馴れ馴れしいし。それにこの着物、明らかにこの国のものじゃない」
前もって問題起こされる前に取り押さえておきました。
「しかも、きっとこの子、僕らのことを何か知っているんじゃないかな?」
光る相貌が、核心に触れた。
「あぁ?どういう意味だ」
「そのままの意味ですよ。もしかしたら、ここの深くまで知っているんじゃないかってね」
ちらりと目を向けられ、ますます怖気づいてしまう。
…別に私は新選組がどうだとか関係ないんだけど。
しかしこの時代、しかも組織新撰組であるからには、それなりに厳しい警備体制なのだろう。
内部の情報を他人に知られたとなればとんだ問題だ。
――‥よく知らないんだけどね。
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