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「それで、その女の処遇をどうするのかが問題だ」
口を開いたのは物静かそうな人だった。
「一君はどうすれば得策だと思う?やっぱり斬っちゃう?」
「馬鹿を言え」
にやりと笑う沖田にばっさりといい捨て、“一君”と呼ばれた青年は私をじっと見つめてきた。
この人たちは本気で私を疑ってる…。
帰りたい。
それで、先輩を…――。
きゅっとスカートの裾を両拳で握り締める。
ここに居ては、駄目な気がする。
沖田先輩同じ顔の人、性格は先輩と比べて正反対だけれど。
このままここに居ては、行き場のない気持ちを決して抱いては行けない方向に持っていこうとしている自分が居る。
…あの人は、沖田先輩じゃないのに。
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