二ノ巻

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「・・・なるほど。しかしあやふやなまま斬り捨てる、というのはあまりいいことではない」 息をついて、彼は提案した。 「どうでしょう副長、このままこの娘をここで隔離‥外からの交流を遮断すれば何の問題もないかと」 その案に、一同が目をむいた。 「斎藤…?お前にしては珍しいことを言うもんだな」 「別に。ただ、こいつの目から敵意も殺気も感じられなかった」 人は目を見れば大概どんな人間か分かるものだ。 そう言って居住まいを正して、改めて副長という人に向き直った。 先ほどの黒髪の人だ。 「まぁ、斎藤が言うにはそれなりのことなんだろうがな…」 眉間の皺を戻すことなく、深く考えているようだった。 「本気で言ってんですか土方さん」 「黙ってろ。考え中だ」 沖田さんの意見をさらりと流し、しばらく考えたらしい彼は、決めたように顔をあげた。
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