二ノ巻

6/15
前へ
/56ページ
次へ
「沖田の意見と斎藤の意見、両方を含めた結果、確かにこいつは怪しい。それは違ぇねぇ。だが、ここで斬っては何がどうなっているのかわかりゃしねぇ。ということで、沖田、しばらくテメェが面倒見やがれ」 「はぁ!?なんで僕が!」 「元はと言えばテメェが連れてきたんだろうが。平助は乗り気じゃなかったらしいじゃねぇか、明らかにお前の責任だろ。きちんと取れ」 ちっと舌打ちをして、憤りを隠せないらしい沖田さんは、そのまま部屋を後にしてしまった。 「あの、でも私は‥」 「お前を心から信用したわけじゃねぇ。怪しいってのは俺もあいつに同意見だ。だから、監視も含め、沖田に一任する。それだけだ」 冷めた瞳が、私に何も言えなくさせた。 どうしてこんなことに…。
/56ページ

最初のコメントを投稿しよう!

96人が本棚に入れています
本棚に追加