二ノ巻

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「そういえばお前、名前なんてんだ?聞いてなかったよな?」 「常盤みずき…」 「みずきって言うのか!俺は藤堂平助、平助でいい。あっちの怖いのが土方さんで、こっちの冷たそうなのが一君、あとは左之さんと新ぱっつぁんに、山南さん、それと、さっきの総司」 「うん、知ってる」 有名だもの。 言われれば誰が誰なのか納得できた。 「・・・知ってるって、お前‥」 驚いた顔をしている藤堂さん‥平助くんに、慌てて私は言い訳をしてみせた。 「ほ、ほらっ、新選組って有名だから!」 「あぁ、そっか!そうだな!」 なんとかやり過ごせた。 これ以上疑われては本当にどうなるか分かったものではない。 私は早くここから、この時代から抜け出したいのに…。 そんな私の様子を、斎藤さんはじっと見つめていた。
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