96人が本棚に入れています
本棚に追加
今ここで先輩を探したところで居るはずもない。
それに、先輩はもう…――。
「わ、たし‥失礼します…!」
言うなり踵を返し、なんとかこの場から逃れようと走り出すが、振り返った途端、
先ほど目の前に居た沖田さんが回り込んでいた。
「逃がさないよ」
「ど、どいてください…っ」
今はこんなことをしている場合じゃ…っ。
そんな時だった。
「新選組の沖田だ!!」
「ちっ、何故ここに…!」
横わきから男の声が。
「‥藩士?」
「何だ何だ?」
きょとんとした顔をする沖田さんと藤堂さん。
「あれは、長州の…」
ぽつりと沖田さんがこぼした時だった。
「ここでばれたとなると生かしてはおけん…!」
最初のコメントを投稿しよう!