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事の始まりは一通の招待状だった。
『
ー招待状ー
S県にあるペンション【クローバー】に下記の日時に来るが良い。
魂は我が手中にあり。
大鎌は輝き、我は血を求め彷徨う。
我が名は死神。
』
『…………』
北条涼輔と助手の如月なつめは手紙を見て、無言で顔を見合わせた。
「脅迫…じゃないんですかね?」
先に口を開いたなつめが苦笑しながら呟くと、涼輔は溜息混じりに手紙を見直した。
「脅迫状じゃなく招待状って書いてあるよねι死神からの招待状だなんて…冥界行きのチケットみたいだよι」
涼輔はそう言って同封されている日時の紙と、黒い紙に白字で書かれている2枚の招待状をヒラヒラと振った。
「涼輔さん…冥界行きだなんて…やめてくださいよι縁起でもない…」
少し怯えた表情のなつめに、涼輔は謝るとまた手紙に視線を落とした。
「何か気になるんですか?」
「ちょっと…ね。何だか…殺人予告っぽいなって思って。しかもS県なら、上手くすれば横沢さんに会えるかもね♪」
横沢満警部補はS県県警の警部補で、以前から涼輔達が世話になった人であった。
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