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「…必要な物ねぇ…何かあったかな?珈琲とか?カップ麺とか?」
涼輔の呟きに、なつめはクスクスと笑い始めた。
「涼輔さん、ペンションなら食事や飲み物はあるんじゃないですか?」
「でも……もし食べ物や飲み物に毒でも盛られたら?」
『……………ι』
涼輔の言い方に二人が肝を冷やすと、涼輔は慌てて手を振った。
「Σ軽いジョークだよ!?本気にしないでよね?ι」
「北条さんの発言はジョークに聞こえませんよι」
横沢の苦情に涼輔は頭を掻いて答えた。
途中に休憩を挟みながら進んだワゴン車は、お昼を取るために一軒の定食屋の駐車場に停止した。
中に入ると静かで趣のある内装と、人の良さそうな店主が出迎えてくれた。
「横沢さん。ペンション『クローバー』は死神の曰く付きとか…何かあるんですか?」
なつめの言葉に横沢は、口に入っていた唐揚げを飲み込むと、ゆっくりと告げた。
「それが…無いんですよ。食中毒などの話も、お客とのトラブルも無いんです。だから何故そのペンションが選ばれたのか、こちらでも分からないんです。」
横沢が困ったように言うと、涼輔は生姜焼き定食を食べながら考え始めた。
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