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黒服の男は淡々とゲームの説明を始めた。
「工藤 守君、
貴方には-スパイラル-に参加する栄誉が与えられました。
まずはルールの説明ですが、とても簡単です。
『クエスト』と呼ばれる指令をクリアしていき、最終的に『大魔王ルシファー』を討ち滅ぼせばゲームクリアです。
報酬は貴方がゲーム内で手に入れたアイテム1つと、日本円にしておよそ100億円の賞金。
…ただし、ゲーム世界には多くの危険が存在します。
遺伝子操作で生まれた怪物『クリーチャー』や、クエスト内の様々なトラップ、またクエストを3回失敗してもペナルティーとして暗殺者が貴方に送り込まれます。」
守は息を飲んだ。
「それと、-スパイラル-への参加は強制です。
もし拒否すれば暗殺者が送り込まれ、貴方を狙います。
穏便に進めるためにもゲーム参加の快諾をお勧めします。」
そう言うと、黒服の男はいったんドアの外へ出ると一つの黒い箱をもって現れた。
…大きさは縦60cm、横15cm、高さ10cmくらいだろうか。
守はその箱を受け取った。
-とても軽い。
ほとんど重さは無かった。
-空箱??
守は上下に軽く振り、耳を澄ました。
すると、何かがカサカサ擦(ス)れる音がする。
「開けてみてください。貴方に相応(フサワ)しい武器が入っているはずです。…ただし、『ハズレ』もあります。まぁ、開けてみてください。
黒服の男は笑みを浮かべた。
守は箱を開けた――
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